私はガラスに張り付いたまま 曇りをなんとか拭き取ろうと 何度もガラスを擦りながら 途切れ途切れの声に耳を澄まして 泣きながら「分からない」と呟いている
何を言っているのか どうしたら良いのか 今の私にはさっぱり検討も付かず 「助けたい」という切実な思いだけが ガラスの向こうから痛いほど伝わって来て 無力な私の手を強く握り締めている