詩とお話でひとやすみ
時折聞こえてくる声。これでも「励まし」って言うんでしょうか?
どっちかって言うと、前向きなんです。
辛い時もありますよね。
腹が立つ時もあります。
「人達」のお話。
ある区切り目にきたようです。
応援したりもするんです。
ある日の出来事。
応援したりもするんです。
応援したりもするんです。
こんな気持ち。
おねえちゃんと7人の子供達
ふつうの日
それは、ある普通の週末の昼下がりでした。
私はいつもの様に遅い昼食を食べると、ありきたりなネタしかやらないテレビを消して、立ち上がりました。 (昼寝でもしよっかな。)

そう思い、寝室の方向へ振り向いた時、私の動きは止まってしまいました。
だって、目の前に、見知らぬ女の子が立っていたんですから。

その女の子は、私を見て嬉しそうに微笑みました。そして大きく両手を振り上げると元気な声で言いました。

「はろ〜!」

呑気な高めの声で、まるで当たり前の様に。そして、大きな黒い目をキラキラと輝かせて嬉しそうに私を見ていました。

その姿を見た私の脳は、状況を把握するよりも先に、挨拶を返すように命令しました。

「は、は、はろ〜...」

なんで英語なのか...それより、どこからこの子は現れたのか...この子は一体誰なのか...私の家で何をしているのか...そういう疑問もあったにはあったんですが、やはり、礼儀は大切ですから。笑顔を作るまでの余裕はありませんでしたけど...

そのぎこちない挨拶を聞くと、その子は嬉しそうに振り返りながら、家の奥に向かって甲高い声で叫びました。

「おねえちゃん見つけた!」

(...なんだ、日本語しゃべれるんじゃん。)

そう思っていると、奥から若い男が3人、笑いながら出て来ました。

「おまえが見つけたんじゃなくて、見つかったんだろ。」

これには私もびっくりです。見知らぬ男が家の奥から出て来たんですから。悲鳴を上げるとか、逃げ出すとか、警察に電話するとか、そういうのが普通の反応なんでしょうけど...なぜかそうする気にはなりませんでした。だって、私の驚きは、そのテンションに欠けていたんですもの。「見知らぬ人」と思いながらも、まるで、その3人を知っているかのような、普通の驚き。

(知り合いだっけ?...テレビで見たとか...俳優じゃないよな...結構カッコいいぞ...なんで家にいるんだ?...! どっきりカメラ?!?)

そんな思いが頭の中を狂ったように駆け巡りました。

(取り乱すな。カメラに映ってるかも知れないぞ。)

私の頭は警告しました。

(しまった! 私、ボロパジャマのまんまじゃん!)

そんな私の心配をよそに、目の前の3人は、楽しそうに笑っています。「大丈夫か〜?」とか「おい、倒れるなよ」とか口々に言いながら。

私は真剣に困っていました。

(この状況で、何を言ったら、テレビに出ても恥ずかしくないだろう...この人ら、誰だっけ?俳優なら、知らないと可哀相だよな...あの女の子も子役かな?可愛いいもんな...)

私の脳はフル回転です。

(そう言えば、あれ?あの女の子は?...ん?!えぇ〜?!?)

気がつくと、女の子は、せっせと私に這い上がっているではありませんか。まるで木登りをするように私の足にしがみ付いて...

「おねえちゃん...おねえちゃん...」

ブツブツと呟きながら、せっせと登ろうとしていました。その姿があまりにも可愛くて、私はつい笑い出してしまいました。だって、私のパジャマを引っ張りながら、一生懸命よじ登ってるんですもの。

すると、笑いとは不思議なもので、それまで張り詰めていた私の中の緊張の糸が解れ、「見た人がどう思うか」なんてのは、どうでもよくなりました。後は何も考えずに、ただその「見知らぬ」4人と一緒にケラケラと笑い続けるだけ。

ケラケラケラケラケラケラケラケラ

そして、やっと少しの余裕を持って5人の笑い声に溢れる部屋の空気に浸った時、私の頭の中で、何かが弾けたんです。まるで閉まっていた宝箱の鍵が粉々に砕けたような...そして次の瞬間、色んな記憶が蘇ってきました。とても古い記憶。楽しかった子供の頃の、私だけに見えていた不思議なお友達との時間。それは、普通になる為にしまい込んだ、私の大切な宝物でした。大人になるにつれて置き場を忘れた、大切な宝箱。

その宝箱から出てきた様に、その不思議な友達は、目の前で楽しそうに笑っていました...あの頃のように。

私は不思議な感覚の中で、その友達を見つめていました。

(こいつら、私を笑わす為に出てきたのかな?わざわざ...)

そう思うと、なんだか余計可笑しくて、またケタケタと笑ってしまいました。そして、そんな私の笑い声と彼らの楽しそうな笑い声に部屋中が包まれた時、ふと、私に纏わり付いていた何か鬱陶しいものが、解けて消えるのを感じました。憑き物が落ちたってのは、ああいうのを言うんですね、きっと。これが笑いの相乗効果なんだと、その時思いました。

ふつうの生活の中で
おねえちゃんと7人のこどもたち
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