振り向けば無数の「分からなかった事」が
崖の下から私に手を振っていた
その答えが今の私にはなぜか
多少なりとも分かっていることが
なんだか嬉しくて私は微笑むと
崖の下に向かって思いっきり手を振った
必死に足掻きながら探した答えも
見つからないと思って諦めたものも
崖を上ってただ進んでいるうちに
いつしか答えへと変わっていったらしく
それがいくつもの点となって並び
崖の下で不思議な模様を描いている
私を取り囲む今の「分からない事」も
いつかはこんな風に分かる日が来るのかも
そんな思いに私は肩を突付かれて
またゆっくりと崖を上り始めた
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