手の届かないあなたを思い
必死に欠点を並べあげてみた
ちっとも社交的になれないところとか
異常に無口で訳が分からないのとか
あの日臭かったのはあなたの足だろうとか
思い当たる事を並べあげては
他にも良い奴がいるだろうと
何度も自分に言い聞かせてみた
苦労の結果 見つけた欠点を
いくつもまとめて持ち歩いてみた
良くない相手だと自分に言い聞かせ
「どうして好きなの?」と自分に問い
答える前に欠点を唱え上げていると
少しずつ心が遠ざかっていくようで
その調子だと自分の背中を押した
あなたを忘れかけたような気がして
少し安心して曲がった角に
あなたがぼ〜っと突っ立っていた
私をみてちょっと笑いかける姿に
集めた欠点が散らばり落ちるのを感じ
慌てたが拾う理由が思い出せなかった
振り出しに戻り また欠点を書こうと
溜息まじりに考えてみたが
あなたの笑顔しか思い出せない
白い紙に浮かぶ顔を掻き消す為に
唯一思い当たる欠点を大きく書いた
「私の計画を台無しにした」
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