私らしくないものを書こうとすると
どうも首のすわりが悪い
背骨のどこか途中に何か
変なものが挟まっているように
難しい感覚が集中力を奪う
優しい言葉を可愛い声で
美しい詩(うた)に変えてみたいと
逆立ちをしては頭を捻り
不器用な指で花を摘み集めるが
出来上がった花束は何故かいつも
偽者のように不自然に照かる
私らしくないものを書こうとする度に
どこかの部分が私に背を向けてしまう
「じゃあな」と一言小さく呟くと
見捨てた様にどこかへ出掛けてしまう
私らしくないものはいつも美しく
可憐に世界を彩っている様で
可愛くなりたいと願い筆を取るが
相変わらず私は首の難しさと
背を向けられた寂しさに観念すると
また不細工な本音を綴ってしまう
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