この頃はなぜかもうあの頃のように
一途に自分を大切にしてあげられなくて
「正しいこと」という決まり台詞や
「誰かの為」という安全な壁を
上手く使い分けて生きるふりをしている
あの頃の様に無邪気に笑い
希望に胸を膨らませることも無くて
ただ「良い人」という紙を目印に
次の行き先へとトボトボ歩く
自分の顔さえも忘れていきながら
「悪いこと」を望んでいるわけでもないし
「身勝手な人」になりたいわけでもない
ただ自分の声がどんな風なのかさえ
思い出せない自分がどこか不自然で
まるで知らない人になってしまった様
履き慣れた靴を履く知らない人に
いつの間にか変わってしまった様
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