ある日そいつは僕の隣に座ると
いきなり頭を僕の肩に乗せた
そしてぐずる様に顔を肩に擦りつけ
甘えるように両手で抱きついてきた
忌み嫌われるそいつはきっといつも
独りで寂しくしているのだろう
そいつと初めて直面した僕は
思ったより悪くないと気が付いた
そいつが僕を気に入ったのか
僕がそいつを気に入ってしまったのか
それ以来そいつは僕と一緒に
ゆっくり休める場所を探している
時折そいつは僕に植木鉢を差し出し
種を植えないのかと問うように見るが
咲かせる場所も上手く咲かせる自信も
今の僕にはまだ見つかっていない
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