あなたは私のコップを壊した
大切な思い出の詰まったコップ
あなたはそれを簡単に壊した
あなたの都合に合わないと言って
私があなたに腹を立てると
あなたは代わりにお皿をくれた
私がそれでも機嫌を直さないと
あなたはまた別のお皿もくれた
私の怒りはいつまでも治まらない
何枚貰おうと やはり治まらない
他人(ひと)は謝罪のつもりだと言うけれど
あなたは一言もまだ謝ってはいない
他人(ひと)はその内私を責め始めた
いつまでも腹を立てる私を責めた
一つのコップより沢山の皿がある
これなら良いだろうと説得に来る
あなたは今日もお皿を持ってきた
「これなら良いだろう」と言いたげな顔で
黙って皿を置いて立ち去った
壊れたコップには見向きもせずに
私は壊れたコップを手に嘆く
皿ではコーヒーは美味しく飲めない
大切な思い出も戻ってはこない
あなたはまだ一言も謝ってはいない
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