あの朝あなたは 新しい旅路を
歩み始め 遠くへと旅立っていった
荷物を肩に 前だけを向いて
あなたの選んだ未来だけを見つめ
一度も振り返らずに 歩いて行った
見送る私は あなたの背を
いつまでも見つめ 待ち続けていた
一度でも振り返り 手を振る事を
微笑むその顔を もう一度見る事を
願い いつまでも立ち尽していた
振り返ればもっと辛くなったと
きっとあなたは そう言うでしょう
迷いを振り切る為の 辛い行為だったと
ありきたりな言葉を私にくれるのでしょう
振り返らないことを 選んだあなたは
見送る者の傷に気付く事も無く
自分ひとりの為のBGMに酔いながら
その内向きの瞳に自分だけを映して
まっしぐらに私から遠ざかって行きました
振り返らないことを 選んだあなたの
背中を見つめた 私はあの日から
あなたに背を向けて 歩き始めました
涙を堪え 心の扉を閉じて
振り返ってはいけないと言い聞かせながら
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