|
|
小石 |
|
うっかり躓いた小石が私を呼び止めました。
「夢を落としましたよ」って。
私が初めて見る小石に困惑していると、
小石が笑いながら言いました。
「前に躓いたのを、忘れたんですか?」
私は落ちている物を見て、思い出しました。
昔も、同じ様に躓いて転げたと...
同じ小石に躓く自分に呆れていると、小石が微笑んで言いました。
「今回は、前ほど痛くはないでしょ。」
私は頷いて立ち上がりました。今度は持っていた物を握ったまま。
そして歩き出す私に、小石が言いました。
「また会いに来るんですか?」
私は微笑んで頷いてから、答えました。
「でも、次は、通り過ぎるだけにします。」 |
|
|
|
|
|