とても正直なその石の
視線にうっかり目をそらす
今日の私にはあなたに言えぬ
後ろめたさがあるらしい
もしもあなたがこの場にいたら
笑って許してくれるだろうか
それともいつもの溜息ついて
私の頭を撫でるだろうか
怒鳴るその声がやけに懐かしく
怒られるネタをわざと持ってきた
でも目の前にこうして立つと
やっぱりちょっと怖いかな
「怒られる前に逃げるとするか」
そう言いながら片付けを始める
また来る理由が欲しいだけかも
そんな甘えん坊でも許してね
次は褒められるネタを持って来よう
そんな事を心に書き留めながら
「また来るからね」と石を撫でては
帰らぬあなたの姿を重ね合わせる
あなたに似つかぬ冷たさからも
あなたの温もりが思い出せるよ
次はきっと楽しいネタを持って
あなたの笑い声を聞きに来るね
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