詩とお話でひとやすみ
時折聞こえてくる声。これでも「励まし」って言うんでしょうか?
どっちかって言うと、前向きなんです。
辛い時もありますよね。
腹が立つ時もあります。
「人達」のお話。
ある区切り目にきたようです。
応援したりもするんです。
ある日の出来事。
応援したりもするんです。
応援したりもするんです。
こんな気持ち。
ある日の出来事。
地獄で...
「ここが地獄ですよ。」
その人は当たり前の様に言いました。
私はその言葉に驚きながら、普段と変わらない辺りを見回しました。
「ここが地獄って...」
戸惑いながらそうは言ってみたものの、次が出てきません。どう見てもいつもと変わらない景色。怖くもなければ暑くも寒くもありません。困惑した私は、その人を見て、訊きました。
「地獄って、こう...層みたいに分かれてて、色んな種類の地獄がそれぞれの階にあるんじゃないんですか?」
すると、その人は、目を丸くして。
「デパートみたいにですか?」
そう言って、「まさか〜」とでも言いたげに、クスクスと笑いだしました。
私としては、ダンテの神曲の地獄篇をイメージしていたのですが...
そんな事を考えている私に、その人は、
「そこって、エレベーターとかもあるんですか?」
とからかう様に言っています。
なんだ、違うのか...なんだか拍子抜けした私の頭に、今度は、福高寺蔵の王宮絵のイメージが浮かびました。
で、止せば良いのに、つい、
「じゃあ、広い所に色んな種類の地獄がてんてんとあるってのも違うですか?」
と訊くと、その人はまたクスっと笑って言いました。
「遊園地の様にですか?」
そして、まるで楽しい冗談でも聞いたかの様に、またクスクスと笑い出しました。
「それだと、みんな行きたくなりますね。」
楽しそうに笑いながら言っています。
いやいや、そうじゃなくて...と思いつつ、慌てて
「いや、そこは地獄ですから、それぞれの所でみんな酷い目に遭ってるんですよ。」
とありきたりな事を私が言うと、その人は、今度は急に真顔になって、
「そうですよね。地獄ですものね。酷い事をされていますよね。」
と、わざとらしく納得した様に頷きました。明らかに笑いを堪えながら...
そして、明らかに困惑している私を同情する様に見ると、不思議そうに訊き返してきました。
「どうして、種類分けするんですか?」
その言葉に、
「...へ?」
と間抜けな声を出したのは、もちろん私です。
そんな事を訊かれても、私が知るわけないではないか...と思っていると、
「幾つもの種類の悪い事をしていたら、どうするんですか?」
と不思議そうにまた訊きます。
確かに良い質問だ...どうするんだろう...と考えている私に、その人は続けて、
「やっぱり順番に券とか貰って、並んだりするんですかね?」
そう言って、またクスクスと笑い出しました。どうも、遊園地ネタがかなり気に入った様です。
どうも私の想像は、かなり見当違いだった様ですが、それでもここが地獄ってのは納得いきません。それで、今度は、反撃に入りました。
「ここが地獄って...だって、ここ、良い事もあったりしますよね。」
そう言う私に、
「そりゃあ、ありますよ。地獄だって、嫌な事ばっかりじゃ、やってられないじゃありませんか。」
と当たり前の様にその人は答えました。
いやいや、それは筋が通ってないだろ...だって、地獄じゃないか...と思っていると、
「でも、良い事が本当に良い事なのか、どうなのか、分かりませんよね。罠かも知れませんし。」
と続けます。
何となく言ってる意味が分かるような分からないような...何だか急に奥の深そうな言葉を噛み締めている私を見て、その人は、
「罠かどうか、分からないから生き地獄。」
そう言って、なんとも意味あり気にニコッと笑いました。そして、急に立ち上がりながら、
「じゃ、今日の地獄レッスンはお終いです。」
言ってからまた私を見ると、
「じゃ、地獄、楽しんで行って下さいね。」
と私にもう一度微笑んで、そのまま歩いて行きました。
♪楽しんで良いかどうか、分からないのも生き地獄〜♪
と鼻歌の様に歌いながら...
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